研究室だより

研究室より 2022

〈大学院生の動向〉
今年度、大学院へは島田正晴先生が一般枠で、奥野はるな先生と石北悦子先生が社会人枠で入学いたしました。2022年5月現在、休学中の先生方を合わせ、15名(うち7名が女性)の大学院生が群馬大学小児科学教室に在籍しております。
島田先生は、群馬大学生体調節研究所分子糖代謝制御分野で「膵β細胞の発生・再生・可塑性からみた糖尿病の研究」を開始されています。田部井容子先生は、同研究所の代謝シグナル解析分野で引き続き「グルカゴン分泌促進を介した代謝改善作用の検証」の研究に取り組んでいます。企画室には西田豊先生(呼吸器アレルギー学)、矢島千景先生(腎臓学)、高木陽子先生(腎臓学)、荒川直哉先生(呼吸器アレルギー学、基礎神経学)に加え、今年度から西澤拓哉先生が新たに机を置き、「小児期発症炎症性腸疾患の罹患率把握のための疫学調査」を開始しています。研究室では沢山の笑いやお菓子のあるくつろいだ雰囲気のなか、分子生物学的手法や顕微鏡を用いた形態学的手法を駆使した基礎研究をしています。佐藤幸一郎先生、中林洋介先生、泉理恵さんは復学され、それぞれ呼吸器アレルギー、小児救急、精神分野の研究を再開しています。
2021年度は血液グループの鏑木多映恵子先生が、「Clinical significance of RAS pathway alterations in pediatric acute myeloid leukemia:小児急性骨髄性白血病におけるRAS経路遺伝子異常の臨床的意義について」の研究で学位を取得しました。大澤好充先生は島根大学留学中から継続している代謝学の研究をまとめられ、近日学位審査の予定です。

〈教室の研究活動について〉
Research Conference(RC)と留学報告会は火曜日昼または夜、学位取得記念講演は火曜日夜に開催しています。昨年度に引き続き、COVID-19の影響のため、web配信を併用したハイブリット形式にて行っております。たくさんの先生方と対面で和気あいあいと討論できない寂しさがある一方で、今まで参加しにくかった先生方が、web配信を通して参加され、講演者のご活躍を耳にしてくださる機会が持て嬉しく思います。多くの先生や学生が医学研究や留学話に触れ、キャリアプランを描くための一助となればと考えています。
研究室スタッフでは、引き続き技官の石井清絵さんがお一人で患者検体の処理や保存をはじめ、実験補助や研究室の管理などを行って下さっています。近年は研究を始めたばかりの先生方に実験手技の指導もしてくださり、頭が下がる思いでいっぱいです。日々診療や研究に専念できるのは石井さんの支えがあってのことで心より感謝申し上げます。
群馬大学大学院小児科学教室では、小児医療や小児保健の幅広い領域に対して多分野(呼吸器アレルギー、腎臓、内分泌代謝、神経、血液腫瘍、新生児、消化器、循環器、精神)の研究グループが、臨床研究ならびに基礎研究を行っています。研究成果を臨床応用へと結びつけるトランスレーショナルリサーチを積極的に行い、より良い先進的な医療を提供することを志しています。さらに、グローバルな視野で活躍できる医学研究者を輩出するとともに、今後も多くの最先端の知見や研究を発信することを目標にしております。

群馬大学大学院小児科学研究室 主任 八木久子

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